自宅避難は、災害時の選択肢の一つとして注目されています。近年の調査によると、約7割の人が自宅避難を検討しています。しかし、準備不足では危険が伴う可能性も高いです。この記事では、自宅避難に必要なアイテムや注意点を詳しく解説します。記事を読めば、家族の安全を守る備えができます。
自宅避難とは自宅で避難生活を送ること

自宅避難とは、災害発生時に避難所ではなく自宅で生活を続けることです。近年の大規模災害では、避難所の収容人数不足や感染症対策の観点から、安全が確保できる場合は自宅避難が推奨されています。
自宅避難中は災害情報を正確に収集し、近隣との連携も密に取ることが重要です。緊急事態に適切な行動を取るためには、情報収集と連携が欠かせません。
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自宅避難に必要なもの

自宅避難を快適に過ごすためには、適切な備えが欠かせません。自宅避難に必要なものは、以下のとおりです。
- 食料品・飲料水
- 非常用バッテリー
- 懐中電灯
- カセットコンロ
- 救急・衛生用品
- 毛布
- 簡易トイレ
- 現金
ライフラインが止まることを想定し、最低3日分、できれば1週間分の備蓄品を用意しましょう。必要なものをそろえることで、いざという時の不安を軽減できます。
食料品・飲料水
食料品と飲料水は自宅避難の要です。飲料水は1人1日3リットルを目安に、最低3日分を確保しましょう。浄水器があれば、より長期の避難生活にも対応できます。食料品は調理不要のものを中心に、栄養バランスを考えて選びます。レトルト食品や缶詰、乾パンなどがおすすめです。
古いものから消費する習慣をつけたうえで、普段から少し多めに食料を買い置きしましょう。賞味期限が近づいた食品は、家族で「非常食お試し会」を開催し、味や調理方法を確認しておくと安心です。調味料や缶切り、簡易食器なども用意しておくと便利です。
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非常用バッテリー

停電時に電源を確保するため、非常用バッテリーは必須になります。スマートフォンの充電はもちろん、LEDライトやラジオなども使えるタイプが便利です。容量は、スマートフォンを5~6回充電できる10,000mAh以上がおすすめです。ソーラーパネル付きのモデルなら長期の停電にも対応できます。
使用前に充電を確認し、いつもフル充電にしておきましょう。複数のポートがあるモデルを選べば、同時に複数のデバイスを充電できて便利です。防水・防塵機能付きのものを選ぶと、過酷な環境下でも安心して使用できます。
家族全員分のスマートフォンの充電ケーブルをまとめて保管しておくと、いざというときに慌てずに済みます。車載用のバッテリーも併せて準備しておくと、車中避難の際にも役立つのでおすすめです。
懐中電灯
暗闇での行動を安全にするため、懐中電灯は欠かせません。懐中電灯の種類と特徴は、以下のとおりです。
- LEDタイプ:省電力で長時間使用できる
- 防水機能付きの懐中電灯:雨天時も使用できる
- ヘッドライトタイプ:両手が自由に使える
- ランタンタイプの照明:360度照らせるので、部屋全体を明るくできる
- 調光機能付きの懐中電灯:状況に応じて明るさを調整できる
予備の電池も忘れずに準備しましょう。カラビナ付きのコンパクトなLEDライトを各自のバッグに入れておくと、移動時に役立ちます。定期的に電池の残量チェックを行い、必要に応じて交換することも忘れないようにしましょう。
カセットコンロ

ガスが止まった際、カセットコンロがあれば温かい食事を取れます。1台あたり3~4人分の調理が可能です。ガスボンベは1人1日1本を目安に、最低でも3日分は用意しましょう。使用時は換気に注意し、室内では必ず窓を開けてください。火災の危険性もあるため、消火器の設置場所も確認しておきます。
調理器具や食器も併せて準備すると、より快適に使用できます。カセットコンロは、風よけ付きのものがおすすめです。屋外で使用する際も安定した火力が得られます。ガスボンベの装着が簡単なタイプを選ぶと、高齢者や子どもでも安全に使用可能です。調理の際は熱源として使うだけでなく、湯沸かしにも活用できます。
使用後は冷めてから収納し、定期的に点検して備えておきましょう。
救急・衛生用品
災害時のけがや感染症対策に、救急・衛生用品の準備は欠かせません。
- 救急箱(毒液や絆創膏、包帯、鎮痛剤、体温計、ピンセット、はさみ)
- 衛生用品(使い捨てのゴム手袋やマスク、ウェットティッシュ、ハンドソープ、歯ブラシセット)
- 生理用品
- トイレットペーパー(1人1日0.2個を目安)
- 常備薬(1週間分以上を確保し、お薬手帳のコピーも用意しておく)
- 携帯用の浄水器やろ過フィルター
消毒液は傷の手当てだけでなく、食器や調理器具の消毒にも使えます。定期的に使用期限をチェックし、必要に応じて新しいものと交換しましょう。
毛布

毛布は寒さ対策だけでなく、プライバシー保護にも役立つ多機能アイテムです。1人1枚以上用意しましょう。軽量で保温性の高いフリース素材がおすすめです。圧縮袋に入れておけば収納スペースを節約できます。防寒用アルミブランケットも併せて準備すると、より効果的です。寝袋タイプの毛布なら、床からの冷えも防げます。
洗濯可能なものを選び、定期的に清潔に保つことも大切です。毛布の他に、着る毛布やポンチョ型の防寒具も用意しておくと便利です。動きやすく、室内での作業時にも活用できます。薄手の毛布を複数枚重ねて使用すると、気温に応じて調整しやすいです。
毛布は防寒具としてだけでなく、簡易的な担架や荷物の保護カバーとしても使えます。避難生活が長期化した場合に備え、予備の毛布も用意しておくと安心です。
簡易トイレ
断水時に重要となるのが簡易トイレです。1人1日5回分を目安に準備しましょう。凝固剤タイプやポータブルタイプなど、さまざまな種類があります。使い捨てタイプなら衛生的で処理も簡単です。消臭効果のある製品を選ぶと、におい対策にも使えます。
使用後の処理方法も事前に確認し、家族全員で共有しておくことが大切です。簡易トイレの設置場所は換気が良く、水回りに近い場所を選びます。ベランダや屋外に設置する場合は、雨よけの対策も必要です。使用済みの簡易トイレは二重にビニール袋に入れ、しっかりと密閉して処理します。
消臭剤や除菌スプレーも備えておけば、衛生管理がしやすくなります。トイレットペーパーの代用品として、ウェットティッシュやキッチンペーパーも備蓄しておくと便利です。簡易トイレの使い方を家族で確認し、定期的に訓練することで、いざというときにスムーズに対応できます。
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現金

災害時は、電子決済システムが使えなくなる可能性があるため、現金の準備は重要です。一般的に1人あたり3万円程度、家族4人なら12万円を目安に用意しましょう。1,000円札や500円玉など、小額紙幣や硬貨も含めると便利です。現金は防水性の高い容器に入れ、家族全員が知っている場所に保管しましょう。
貴重品として、健康保険証のコピーや身分証明書も一緒に保管しておくと安心です。定期的に金額を確認し、必要に応じて補充してください。災害時は公衆電話を使うケースもあるので、10円玉も用意しておきます。貴重品を入れる防水・耐火性の金庫やポーチを用意しておくと、より安全に保管できます。
避難時にすぐ持ち出せるよう、現金と重要書類をまとめて保管しておきましょう。家族全員の分の現金を一カ所にまとめるのではなく、個別に管理することでリスク分散にもなります。
【パターン別】自宅避難に必要なもの

家族構成によって、自宅避難に必要なものは変わってきます。子供やペット、高齢者、障がい者がいる場合、それぞれに合わせた準備が必要です。各ケースで特に注意すべきポイントをご紹介します。家族の特性を考慮し、万全の備えを整えましょう。
子供がいる場合
子供がいる家庭では、年齢に応じた準備が必要です。乳幼児の場合、粉ミルク(液体ミルクもおすすめ)や哺乳瓶、おむつ、おしりふきは必須です。目安として、おむつは1日8枚×3日分以上を用意しましょう。子供の好きなおもちゃや絵本も数点準備すると、ストレス軽減に役立ちます。
アレルギーがある子供の場合、専用の食品や薬のストックも重要です。子ども用の衣類や靴下も余分に準備しておくと安心です。子ども用の食器や歯ブラシ、お気に入りのタオルなども用意しておきましょう。非常時でも子どもの生活リズムを保つため、普段使っているものと似たアイテムを選ぶのがポイントです。
防災バッグは子どもと一緒に準備し、中身や使い方を確認しておくことで、子どもの防災意識を高められます。
» 本当に必要な防災グッズリスト
ペットを飼っている場合

ペットと一緒に避難生活を送るには、専用の準備が欠かせません。ペットフードは最低5日分、できれば2週間分を用意しましょう。水は1日あたり犬なら体重1kgにつき60ml、猫なら1匹あたり100mlを目安に準備します。ケージやキャリーバッグ、リード、排泄用品(猫砂、トイレシートなど)も必要です。
リードや首輪、ハーネスは、避難時にペットを安全に移動させるために必要です。常備薬がある場合は1週間分以上を確保し、使い慣れたおもちゃも2、3個入れておくとストレス軽減につながります。タオルや食器、ウェットティッシュなども用意しておくと便利です。
ペットの避難訓練も定期的に行い、ケージやキャリーバッグに慣れさせておくことも大切です。避難所でのペット同伴可否を事前に確認し、同伴不可の場合の代替案も考えておきましょう。
高齢者がいる場合
高齢者がいる家庭では、高齢者の健康状態や生活習慣に合わせた準備が重要です。常備薬は2週間分以上を用意し、お薬手帳のコピーを一緒に保存します。補聴器や眼鏡、入れ歯などの備品と洗浄液も必要です。食事面では、やわらかい食品や栄養補助食品を準備しましょう。
衛生面では、清拭用のウェットタオルや大人用おむつなども必要に応じて準備します。緊急連絡先リストをわかりやすく書いて用意しておくと、非常時に役立ちます。服用している薬の一覧表や、かかりつけ医の連絡先も準備しておくのもおすすめです。避難時の移動を考え、軽量で折りたたみ可能な車椅子や歩行器も検討します。
高齢者が日常使用している物品(老眼鏡、湯たんぽなど)などもあることが望ましいです。非常時でも日常のルーティンを維持できるよう配慮することが、高齢者の不安軽減につながります。
障がい者がいる場合

障がいの種類や程度によって必要なものは異なりますが、共通して重要なのは日常生活に欠かせない補助具や医療機器の準備です。車椅子使用者なら予備のタイヤやバッテリー、視覚障がい者には白杖や音声時計などが必要です。常備薬は2週間分以上、医療機器は予備の電源も用意しましょう。
コミュニケーション支援ボードや筆談用具も役立ちます。障害者手帳のコピーや主治医の連絡先リストも準備しておきましょう。介助が必要な場合は、家族以外の支援者の連絡先も共有しておきます。個別の避難計画を作成し、定期的に見直すことも大切です。
聴覚障がい者の場合、文字情報を得られる携帯ラジオや光で知らせる警報装置があると便利です。バリアフリー対応の避難所情報を事前に確認し、必要に応じて自治体と相談しておくことも欠かせません。障がいの特性に応じた非常食や、使い慣れた自助具も忘れずに準備しましょう。
自宅避難を快適にするアイテム

快適な自宅避難生活を送るには、日常生活に近い環境を整えることが大切です。季節や個人の好みに合わせたアイテムを用意しておくと、ストレスを軽減できます。暖房や冷房、快眠グッズなど生活の質を向上させるアイテムをご紹介します。
暖房アイテム
寒い季節の自宅避難には、暖房アイテムが欠かせません。電気を使わないものを中心に準備しておくと安心です。おすすめの暖房アイテムは、以下のとおりです。
- 使い捨てカイロ(1人1日2~3枚を目安)
- 湯たんぽ
- ポータブルガスストーブ
- 厚手の靴下
- 防寒インナー
ポータブルガスストーブは換気に注意して使用します。厚手の靴下や防寒インナーは体温調節に役立ちます。暖房器具と合わせて着用すると、より効果的です。寒さ対策をしっかり行うことで、体調管理にもつながります。
冷房アイテム

暑い季節の自宅避難では、熱中症予防が重要です。電気を使わない冷房アイテムを中心に準備しておきましょう。役立つ冷房アイテムは、以下のとおりです。
- うちわや扇子
- 冷感タオル
- 保冷剤
- ミストスプレー
- 遮光カーテン
水分補給と併せて、涼しく過ごす工夫をすることが大切です。
快眠アイテム
避難生活では良質な睡眠を取ることが難しい場合があります。快適な睡眠環境を整えるアイテムを用意しておくと安心です。快眠をサポートするアイテムは以下のとおりです。
- アイマスク
- 耳栓
- 携帯用枕
- 寝袋
- アロマオイル
快眠グッズを活用し、質の良い睡眠を取ることで心身の疲労回復につなげましょう。
自宅避難時の安全対策

自宅避難を安全に行うには、事前の準備と対策が不可欠です。家の安全性を確認し、近隣住民と協力関係を築くことが重要です。万が一に備えた準備を整えておくことで、自宅避難をより安全に行えます。
自宅の耐震性チェック
自宅避難の際、建物の安全性確認は最優先事項です。耐震性のチェックポイントは、以下のとおりです。
- 壁や柱のひび割れ
- 床の傾き
- 屋根や外壁の損傷
- 基礎の沈下や亀裂
- 家具の固定状況
1981年以前に建てられた住宅は、特に注意してください。専門家による耐震診断を一度受けてみるのが最も確実です。家具の固定や窓ガラスの飛散防止フィルムなど、具体的な対策を行いましょう。避難経路の確保や危険箇所の把握など、家族全員で安全対策を共有することも大切です。
近隣住民との情報共有
災害時、近隣住民との連携は安全確保に欠かせません。効果的な情報共有方法は、以下のとおりです。
- 自治会への参加
- 防災訓練への参加
- 緊急連絡網の作成
- SNSグループの活用
- 定期的な情報交換会
自治会や防災訓練に積極的に参加し、顔の見える関係を築きましょう。定期的な情報交換会を開催し、地域の防災計画や避難経路を確認してください。お互いの得意分野を把握し、助け合える体制を作ることが大切です。近隣との協力関係は、自宅避難時の心強い味方になります。
まとめ

自宅避難は適切な準備があれば、安全で快適な選択肢になります。必要なアイテムをそろえ、家族構成に合わせた対策を立てましょう。自宅の安全性確認と近隣との連携も重要です。定期的に備蓄品をチェックし、必要に応じて避難訓練を行いましょう。
いざというときに慌てないよう、今日から少しずつ備えを始めてください。自宅避難の準備は、家族の安全を守る大切な第一歩です。